英検1級・TOEIC900点でも英会話は苦手

英検1級TOEIC900点(ベスト955)、苦手の英会話をNHK語学で学習中。

エンジョイ・シンプル・イングリッシュ日本語訳『オリジナル・ショート・ストーリー』(バトンタッチ・オーディションの行方・大人の味・地元の友達)

 

  

 

 

バトンタッチ(Dance Moves)

 

:ただいま! あれ、何やってるの?

:ビデオ・カメラをセットしてるの。

 

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:なんで?

:幼稚園の父母たちで出し物をやるのよ。卒園式に、ね。

:父母がお芝居をするの?

:ううん。お芝居は去年やったわ。

:じゃ、今年は何をやるの?

:ダンスよ! 私が振り付けを担当するの。

:きみが? ハハハ、本当に?

:ちょっと、笑わないでよ!

:大学でダンス部に入っていたとはいえ、もう10年以上も踊ってないだろう?

:他のみんなはダンス未経験者なのよ。私が踊るところを録画して、みんなに見てもらうの。それで振り付けを覚えてもらうのよ。

:そりゃ大変そうだね。

:協力してね。大学のダンス部で一緒だったんだから。私の動きをチェックして。

:夕飯を食べたいんだけど。できてる?

:まだよ。録画が終わったら作るわ。

:えっ!?

:私が音楽をかけるから、カメラの録画ボタンを押してくれる?(音楽スタート)さあ、リズムに合わせて踊りましょう! 

まず、輪になって。1,2,3,4…手をたたいて、右に、次は左に。クルッと回って、ジャンプ! さあ、ちょっと難しくなりますよ。高く足を上げて…

(転倒)痛い!

 

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:(音楽を止める)大丈夫? 立てる?

:ダメ、腰が痛い。ちょっと休むわ。

:あのさ、振り付けが難しすぎるんじゃない?

:そう?

:ダンス経験者の君が転ぶくらいだから、ほかの人にはもっと難しいんじゃない?

:うーん、そうかもね。どうすればいいかしら?

:転ぶ直前にやろうとした、あの足を上げるところをやめたら? こういうふうに腰を動かせばいいんじゃない?

:それじゃ簡単すぎない?

:同時に手と腰を動かせばいいよ。こんなふうに。

:いいわねー。最初からやってもらえる?

:なんで?

:録画するから。

:録画?

:腰が痛くて動けないのよ。あなたのダンスを録画して、みんなに見てもらうの。

:そんな、はずかしいよ。みんなに笑われるよ!

:そんなことないわ。私より上手だもの。みんなカッコいいって思うわよ。

:よし、わかった…。(音楽スタート)はい、1、2、腰を振って…。さあクルッと回って…

 

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:最高よ! すばらしい振り付けだわ! それに、とってもわかりやすい!

:ああ、汗びっしょりだ。シャワーを浴びてくる。そしたら夕飯できてるかな?

:えっと…、無理だわ。

:えっ? 何で?

:腰が痛くて、動けないの。今夜はあなたが作ってくれない?

 

お疲れ様です~! 

英語も身体も、日ごろから鍛えておかないといけないようです。

 

 

オーディションの行方(The Audition)

 

AD:はい、お疲れ様でした。結果は2,3日後にお知らせしますね。ナオヤさん、彼女はどうでした?

ナオヤ:主役のイメージには合わなかったな。

A:わかりました。次の人を呼びます。

 

ナレ(ナオヤ

映画監督になって25年。今日は次の映画の主役を選ぶオーディション。正直なところ、ぴったりな役者を見つけるのはむずかしい。この役は私の初恋のヨシコさんなんだから。ああ、ヨシコさん、あなたの元気な声を忘れたことはないよ。

 

マチコ:こんにちは。中村マチコ、18才です!

A:はいはい、そんな大きな声を出さなくても聞こえますよ。

 

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:まあ、いいさ。出身は?

:札幌です。

:そうなの? 私もだよ。

:はい、知ってます。母が言ってました。監督とは高校のとき同じクラスだったと。

:お母さんが? どなたかな?

:私、白石ヨシコの娘です。

:ヨシコさんのお嬢さん?

A:ナオヤさん!大丈夫ですか?

:えーっと、そうだ。その…お母さんはどうしてる?

A:(小声で)ナオヤさん、個人的なこと聞いちゃだめですよ。

:(小声で)そうは言っても、知りたいんだよ。

:母は元気で、いつもみんなに言っています。監督のこと知ってるのよって。

 

ナレ(ナオヤ

ヨシコさんが私のことを?

 

A:マチコさん、お母さんが監督の知り合いだからといって、役をもらえるわけではありませんよ。ね、ナオヤさん?

:そりゃそうです。では、台本の8ページを開いて。ヨシコさんの、いや、ヨシエさんのセリフを言ってみて。

:はい。

:はい、スタート!

:ナオキ、待って!どうして言ってくれないの?私が何をしたの?

 

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:カーット!(小声で)彼女、いいんじゃない?

A:(小声で)本気ですか?

:マチコさん、私の映画の主役をやってもらいたい。

:本当ですか? すごくうれしいです!

:なにか質問はあるかな?

:はい、あります。このストーリーは母のことですよね?

 

ナレ(ナオヤ

なんと、彼女は知っているのか!

 

:その、君はどうしてそう思うのかな?

:映画の舞台は札幌ですし、役のヨシエという名前は、母の名前のヨシコに似ているので。

:同じような名前の女性は札幌にたくさんいるだろうよ。

:でも映画にはナオキという名前の人が出ていて、監督もナオヤですし。これ、実話なんですか?

:うーん、気が変わったよ。君は映画に出なくていい。

:えっ、わかりました。ありがとうございました。失礼します。

:待ちなさい!そんなに悲しそうな顔をしないで。また気が変わったよ。君に主役をやってもらう。

:ええっ、ナオヤさん。本気ですか?

:ちょっと待てよ、ヨシコさんが私の初恋の相手だと知ったら…

:母が初恋の相手なんですか?

:そうなんだよ…

:父には言わないでくださいね。母も言ってました。監督が母の初恋の相手だったって!

 

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あらら…

 

大人の味(My Brother's Cooking)

 

アヤ:あー、疲れたー。お兄ちゃんのアパートってなんでこんなに駅から遠いの?

マサト:安いからだよ。お前の新しいところは狭くて高いよな。

:でも、駅に近いよ。その方がちょっと長く寝ていられる。

:(ため息)ガキみたいだな。

:やめてよ!

 

ナレ(アヤ

就職して東京に引っ越すことになった。兄のマサトがアパート探しを手伝ってくれて、やっと駅に近いところが見つかった。来週引っ越す予定。

 

:とにかく、いい部屋が見つかってよかったな。

:まあね。そうだ、お祝いしない? お寿司ごちそうしてよ。

:いやだよ! 寿司なんて高すぎる。何か作ろうか?

:料理するの?

:もちろん、するさ! 外食は高いからね。節約のために自炊してるんだ。

:感動した!もうすっかり大人だねー!

:ま、一人暮らしも2,3年になるからね。えーっと、何があるかな…

:あ、スパゲティがあるわ。ミートソースもある。ミートソース・スパゲティならできるでしょ?

:いいや、それじゃ簡単すぎる。オリーブオイルとニンニクと唐辛子で何か作ろう。

:唐辛子? 私、辛いの食べられない。

:だいじょうぶ、そんなに辛くしないから。まず、スパゲティをゆでる。大きななべに水をたっぷり入れて。沸騰したら、塩を加えて、スパゲティを入れる。

:オーケー。

 

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:約7分間ゆでる。スパゲティをゆでている間に、ニンニクを準備する。こんなふうにつぶして。

:なんでつぶすの?

:刻むより、つぶした方が味が引き立つんだ。

:うわー、よく知ってるのね!

:ニンニクが準備できたら、フライパンにオリーブオイルを入れる。それから、ニンニクを入れる。

:待って。火をつけるのを忘れた。

:火をつけるのはニンニクを入れてからだよ。その方が、ニンニクの香りがオイルに移りやすいんだ。ニンニクの香りがしてきたら、唐辛子を入れる。最初にたねを取り出すのを忘れないで。

:あー、いいにおい!

:ああ、このにおい、最高だよな。オーケー、スパゲティがゆであがった。フライパンに移そう。忘れずになべのお湯を少し加える。仕上げに塩、コショウを少々かけて。はい、できあがり! ジャーン! スパゲティ・アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノの完成です!

 

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:うわー、プロみたい!

:しゃべってないで、食べてみて。

:わかった。いただきまーす! うーん、すっごく美味しい! ニンニクとオイルがよく合って、辛すぎないわ。お兄ちゃんの料理、最高よ。

:口に合ってよかったな。それにむずかしくないだろ。

:そうね。東京に引っ越したら、私…

:毎日料理するって?

:ううん。ここに食べに来るわ!

:何だって⁉

 

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料理の得意な兄なんて、いいですねー!

 

 

地元の友達(A Friend of Mine)

 

タケシ:ねえ、メグミ、夏の合宿はどこに行くの?

メグミ:まだ考えてるところ…。ホテルが高すぎるのよ。

:おれの友だちが他の大学でテニス部のキャプテンやってるから、どこがおすすめか聞いてみようか。

 

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ナレ(メグミ

「おれの友だち」か…。タケシは何度その「友だち」の話をするんだろう?

 

:そいつ、すっごくテニスが上手いんだ。インターハイで3位になったんだよ。

 

ナレ(メグミ

タケシと私は大学で同じテニス部に所属している。私が部長で、タケシは副部長。タケシはいつも「友だち」の話ばかりしている。

 

:その友だち、けっこう有名な選手に勝ったこともあるんだ。

:へえー。でもそんなに上手いのに、なんで大学のテニス部に入ってるの? なんでプロにならないの?

:えーっと、実は膝をケガしたんだ。

:あら、そうなの。で、名前は?

:えーっと、言ってもわからない思うよ。

:でもインターハイで3位になったんでしょ?

:4位か5位だったかな…よく覚えてないや。

 

ナレ(メグミ

いつもこんな感じで会話は終了。タケシは決して「おれの友だち」が誰か言わない。

 

:ねえ、ホテルじゃなくてテントに泊まるのはどうかな。

:キャンプでテニス合宿?

:そう。キャンプファイヤーやったり、食事も作ったりして。

:それ、おもしろそう!

:おれの友だちがアウトドア派で…

 

ナレ(メグミ

また出た!

 

:ナイフ一本だけで、山の中で1ヶ月も暮らしたんだ! けっこう有名で、雑誌の表紙に載ったこともあるんだ。

 

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:本当? なんていう人?

:あー、言ってもわからないと思うよ。その雑誌は本格的なアウトドア派向けだから。

:(ため息)

:信じてないの? 本当だよ!

:信じてるわよ。とにかく、キャンプはいいわ。カレーが作れる。

:カレーと言えばさ、おれの友だちがカレー屋をやっててさ、有名なガイドブックに載ったんだよ。

 

ナレ(メグミ

今度はカレー屋さん? タケシには有名な友だちが何人いるんだろう?

 

:そいつのカレーは超うまいんだよ。

:で、その人の名前は?

:その人はそんなに有名じゃないんだ…

:その人のカレー屋さんは、有名なガイドブックに載ったんでしょ? なんで名前を言えないの?

:あの、その…その人の名前は…

:名前は?

:…タケシ。

:タケシ? タケシなの? 自分のこと言ってるの?

:そう…。カレー屋じゃないけど、カレーを作るのは得意なんだ。それに、キャンプには何回も行ってるから、テントを建てるのも得意だよ。

:なんでそう言わなかったの?

:なんとなく、自分のこと言うのは恥ずかしくて…。とにかく何か手伝いたいんだ。どうすればいい?

:そうね、キャンプに行くんなら、大きなワゴン車がいるわね。見つけてくれる?

:もちろん。おれの友だちが…てか、おれなんだけど、運転は得意なんだ。おれが運転するよ!

 

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ナレ(メグミ

ほう。タケシは思っていたより才能があるかも。それに、ちょっとかわいいわ!

 

えーっ!! そうですかぁ!?