英検1級・TOEIC900点でも英会話は苦手

英検1級TOEIC900点(ベスト955)、苦手の英会話をNHK語学で学習中。

エンジョイ・シンプル・イングリッシュ日本語訳『日本の昔話』(さるかに合戦・三年寝太郎・聞き耳ずきん・わらしべ長者)

 

  

 

 

【さるかに合戦】

 

さるが山道を歩いていました。

「ああ、お腹が減ったなぁ。どこかに食べ物はないかな?」

さるは柿のたねを見つけました。

「ただのたねか。でも取っておくとするか」

さるはまた歩き始めました。

そのとき、さるはかにのお母さんがおにぎりを運んでいるのを見つけました。さるは思いました。

「あのおにぎりをもらおう!」

さるは言いました。

「こんにちは、かにのお母さん。ぼく、いいもの持っているんだ。柿のたねだよ。地面に埋めれば、大きくなって、たくさんの柿の実がなるよ。このすばらしい柿のたねをあげるから、その小さなおにぎりをおくれよ」

 

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かにのお母さんは言いました。

「でも、たくさんの子どもたちがお腹をすかせて、家で私の帰りを待っているのよ。急いでこのおにぎりを食べさせなくちゃ」

さるは言いました。

「おにぎりは食べちゃえば何も残らないけど、柿のたねはちがうよ。毎年実がなるんだ!」

かにはしばらく考えました。そして、かにはさるにおにぎりをあげて、柿のたねをもらいました。

 

かには家に帰ると、子どもたちと土に柿のたねを埋めました。たねに水をやり、歌を歌いました。

「早く大きくなれ、柿のたね。ならないと、はさみでちょん切るぞ」

柿のたねは歌を聴いて、切られるのはいやだとすぐに大きくなりました。柿はどんどん大きくなりました。すぐに大きな木となり、たくさんの実をつけました。かにのお母さんと子どもたちはおおいに喜びました。

しかし、困ったこと一つがありました。かには木に登れないのです。かにたちが柿を見上げていると、さるがやってきました。

「柿を取ってあげよう」

かにたちが下で待っていると、さるは柿の木に登っていきました。

熟している柿もありました。オレンジ色で甘い柿です。まだ熟していない柿もありました。まだ青い色でした。さるは甘くなった柿を取って、全部食べてしまいました。

 

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木の下で、かにたちはたいへん怒りました。さるは青い柿をかにたちめがけて投げつけました。かにのお母さんは固い柿をぶつけられ、けがをしてしまいました。子どもたちはとても悲しくなって、助けを求めて、友だちのところに行きました。

 

友だちのうすとハチと栗は、さるの家に行くことにしました。

さるは留守だったので、帰りを待つことにしました。うすは屋根に上がり、ハチは水がめのふたの下、栗はいろりの中で待ちました。そしてさるが帰ってきました。

「おお、寒い!」

さるはいろりに手をかざして暖めようとしました。とそのとき…栗が飛び出して、さるの顔にぶつかってきました。

「痛い!うわー!ああー!」

さるは急いで水がめのところへ行き、顔を冷やそうとふたを開けました。するとそのとき…ハチが飛び出してきてさるを刺しました。

「痛い!うわー!ああー!」

さるはあわてて家の外へ飛び出しました。するとそのとき…うすが屋根から飛び降りました。さるの上に飛び降りたのです。

 

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「ごめんなさい。もう悪いことはしません」

とさるは謝りました。

それからさるはいつも悪いことをしなくなりました。

まあ、だいたいいつも、ですけどね。

 

この顔、反省しているようには見えませんね…

 

【三年寝太郎】

昔むかし、貧しい母親と息子が暮らしておりました。息子の名前は太郎。二人は一生懸命働きましたが、あまり食べ物がありませんでした。その地方にはじゅうぶんな雨が降らなかったのです。

ある年のこと、ほとんどまったく雨が降らなかったので、食べるものがなくなってしまいました。太郎の母親はさらに働くようになり、ついには働きすぎて亡くなりました。

 

太郎は一人ぼっちになってしまい、来る日も来る日も一日中泣いていました。そして太郎は眠りました。太郎は眠り続けました。ずっとずっと眠っていました。

 

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友だちは心配になりました。様子を見に行くと、太郎はいつも眠っていました。ときどき食べ物を持って行くと、太郎は眠ったまま食べました。村の長老たちが来て話しかけても、太郎は目を覚まそうとはしませんでした。子どもたちが太郎をおこそうと大騒ぎしました。それでも太郎は眠り続けました。

 

3年が過ぎて、太郎の田んぼは田んぼには見えなくなってしまいました。田んぼは草が生い茂り、大人の背に高さになっていました。

そして、ある朝早く、太郎は突然目を覚ましました。

「いいことを思いついた!」

太郎は田んぼへ向かいました。太郎は草を刈り、土を耕しました。村人たちは太郎を見てびっくりしました。

「寝太郎が寝ておらん!」

今や、田んぼは新しい苗を植えるばかりです。しかし、その土地にはまだ雨が降っていませんでした。太郎は鍬をかついで川へと向かいました。村人は太郎に尋ねました。

「おい、川で何をするんだ?」

太郎は答えました。

「水路を作る!」

「川は遠いぞ! 鍬一本で水路なんか作れるものか!」

みんな笑いました。それでも太郎は川へ向かって歩き続けました。太郎の計画を聞いた子どもたちは、

「手伝うよ」

と言って、一人二人と、太郎についていきました。どんどん歩いていき、川に着きました。太郎は鍬で土を掘り始めました。どんどん掘っていきました。子どもたちも一生懸命に掘りました。

 

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子どもたちの親は心配になって、子どもたちを探しに行きました。親たちはたいへんおどろきました。太郎と子どもたちが一生懸命に働いているのです。

そこで自分たちも手伝うことにしました。太陽は西に沈みかけていました。

ついに水路が田んぼに届きました。川の水が水路を通って流れてきて、とうとう田んぼは十分な水でいっぱいになりました。

「やったぞー!」

みんな歓声をあげて、太郎にお礼を言いました。

その日以来、あまり雨が降らないときでも田んぼには十分な水があって、たくさんの米を育てることができるようになりました。村は豊かになり、太郎と村人たちは幸せに暮らしました。

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めでたし、めでたし。

「絶望したら、眠りなさい」(平井正修さんの『花のように生きる』)を思い出しました。

 

 

【聞き耳ずきん】

 

昔々小さな村に、働き者の若者が住んでおりました。若者は、毎日朝早くから夕方遅くまで畑で働いていました。

ある夕方のこと、若者が歩いて家に帰る途中、子どもたちが子ぎつねに石を投げつけているのを見つけました。

 

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「やめなさい! 小さな動物を傷つけてはいけないよ!」

子どもたちは走って逃げ去りました。若者は子ぎつねに言いました。

「大丈夫かい? もう子どもたちに捕まるんじゃないよ」

子ぎつねはうれしそうに山に帰って行きました。

 

次の日の夕方、若者が歩いて家に向かっていると、突然きつねの親子が木の後ろから飛び出してきました。お母さんぎつねは古い頭巾を若者の足元に置いて言いました。

「きのうは私の子どもを助けてくださって、ありがとうございました。お礼にこれを差し上げます。この頭巾をかぶれば、動物の言葉がわかります」

そうして、きつねの親子は行ってしまいました。

 

若者は、きつねが何と言ったのかわかりませんでしたが、頭巾を拾い上げ、かぶってみました。すると急に、頭の上の方で声がしました。

「あっちの田んぼは、もう米が実ったね」

「本当かい? じゃあ明日、朝食にいただくとしよう」

「あのおばあさんには気をつけた方がいいよ。あぶないから!」

 

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若者が上を見ると、二羽の鳥が木にとまっていました。若者には、鳥の言葉がわかったのです! 若者は頭巾を脱いでじっと見ました。

「なんと不思議な!」

今度は木の上の二羽のカラスを見ました。若者は頭巾をかぶってその声を聞きました。

「しばらく会わなかったね。そっちの村では何か変ったことはないかい?」

「そうだね、長老の娘さんが病気になったんだよ。聞いたところでは、屋根の修理をしたときに中にヘビがいたんだって。それが今では出られなくなってしまって」

「本当かい? そのヘビのせいで娘さんが病気になったと?」

「その通り。ヘビを助け出せば、娘さんはすぐに良くなるんだが。人間には動物の言葉がわからないから、誰も娘さんの病気の原因がわからないんだ」

 

若者はたいそうおどろいて、長老の家へ急ぎました。若者は長老に言いました。

「私は病気の娘さんを助けることができます」

 

長老は娘のことがたいへん心配だったので、若者を屋根に上らせて、屋根に穴を開けさせることにしました。若者はヘビを見つけました。ヘビはたいへん弱っていました。

「かわいそうに。もう大丈夫だよ」

若者はヘビに水を飲ませ、庭に放してやりました。

すると突然、娘は布団に起き上がって言いました。

「具合がよくなりました」

 

長老はたいへん喜んで、若者に言いました。

「娘を助けてくれてありがとう。あなたは娘の命を救ったのだ。どうかこの先も娘を守ってほしい。娘と結婚して、わしの息子になってくれないか」

 

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こうして若者は長老の娘と結婚して、二人は末永く幸せに暮らしました。

 

めでたし、めでたし。善い行いも、悪い行いも自分に返ってくると思いますか?

英語ではこんなふうに聞くことができます。

Do you believe in karma ?

あなたはカルマを信じますか?

(karma=業、発音はカーマ)

Me?  Yes, I do.

 

 

 

【わらしべ長者 】  

昔々あるところに、貧しい若者が住んでいました。父母はすでになく、一人きりでした。

「新しい人生を求めて旅に出よう」

家の中にあるのは少しのわらだけでした。

「ただのわらだが、持って行くことにしよう。私にあるのはこれだけだ」

 

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若者は山のふもとの道を歩き始めました。

すると、炭焼きの男に出会いました。男は言いました。

「そのわらを買いたい。炭を縛っておきたいのだよ」

若者は言いました。

「いいですよ。でもお金はいりません。わらはあげますよ」

すると男は言いました。

「いやいや、ただでもらうわけにはいかない。炭をあげよう」

「わかりました。ありがとう」

若者は炭をもらって去って行きました。

 

しばらく行くと、刀を作っている鍛冶屋に会いました。鍛冶屋は言いました。

「おや、それは炭かい?」

「はい、そうですよ」

「買えるかな? 刀を作っていてもうすぐ完成するのだが、火を絶やさないためにもう少し炭がいるんだ」

若者は鍛冶屋に炭を渡して言いました。

「もちろん、いいですよ。ただであげますよ」

鍛冶屋は喜んで言いました。

「ありがとう。お金がいらないのなら、刀をあげよう。どれでも好きなのを持って行きなさい」

「ありがとうございます。これをいただきます」

若者は短刀をもらって、また歩き出しました。

 

しばらくして、若者は馬に乗った侍と出会いました。

 

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侍は若者の短刀を見て言いました。

「待ちなさい。見事な短刀を持っておるな。私に売ってもらえないか? 太刀は持っているが、短刀を持っていないのだ。いくらいる?」

「差し上げましょう。鍛冶屋がただでくれたのです。もともとわらを持っていて、それを人にあげたら炭をくれました。その炭を鍛冶屋にあげたら、お返しにこの短刀をくれたのです。ですからお金はいりません」

 

侍はたいへん感心して言いました。

「お金をもうけようとする人は多いのに、そなたはちがう。私にただでものをあげようとしている。感心な若者だ。私はまもなく大きな戦に出る。どうか私の息子になって、家族を守ってくれないか」

侍は手紙を書いて、若者に渡しました。

「この手紙を持って行って、私の家族に見せてほしい。すぐにわかるから」

 

若者はその手紙を持って侍の家に行きました。大きなお屋敷でした。侍の家族は言いました。

「家族に加わってくださってうれしく思います」

若者は侍の家族の一員になり、その家族を守りました。

 

しばらくして、侍は戦で亡くなりました。

若者はその後も家族を守り続けました。

 

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こうしてわらしか持っていなかった貧しい若者は、大きなお屋敷の主人となりました。

 

めでたし、めでたし?

戦に行ったお侍さんが、切ないです…