英検1級・TOEIC900点でも英会話は苦手

英語講師です。英検1級TOEIC900点(ベスト955)。NHK語学で学習中。

エンジョイ・シンプル・イングリッシュ日本語訳『きつねとぶどう』

 

エンジョイ・シンプル・イングリッシュ

古典が語る西洋の知恵

『きつねとぶどう』

 

 

 

ある晴れたあたたかい日のこと。一匹のきつねが午後の散歩を楽しんでいました。

きつねは大きな紫色のぶどうが実ったつるを見つけました。

 

「ああ、あのぶどうは食べごろだな。ひとつ食べたいなぁ。きっとおいしいんだろうな。あんなに大きくて果汁もたっぷりなんだろうな」

 

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きつねは長いことぶどうを眺めていました。食べているところを想像していました。でも、ひとつ困ったことがありました。そのぶどうは、とても高いところになっていたのです。きつねは手が届きませんでした。しばらく考えて、いい考えが浮かびました。

 

「そうだ、ジャンプすればいいんだ。なんで気が付かなかったんだろう。ただジャンプすればいいんだ。そうすればぶどうが食べられる」

 

そこできつねは、ぶどうめがけて跳び上がりました。けれど、ぶどうに手が届きません。ついにきつねは疲れ果てて、すわって休むことにしました。

 

そしてまた考えました。きつねはあきらめたくなかったのです。どうしてもそのぶどうを食べたかったのです。

 

「ああ、そうだ。走ってからジャンプすればいいんだ。ジャンプの前に走れば、もっと高く跳べる。ああ、ぼくはなんて賢いんだ。よし、さあ行くぞ!」

 

きつねは少し後戻りしてから、走る準備をしました。

 

「今度はきっとうまくいくぞ。あのぶどうを食べたい。1,2,3!」

 

きつねはぶどうのところまで走って行き、できるだけ高く跳びました。きつねは宙を舞いましたが、やはりぶどうに手が届くことはありませんでした。

 

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「おしいなぁ。もう少しで届くのに。次こそきっとできるぞ」

 

きつねは何度も何度も試しました。けれども、何度やってみてもぶどうに手が届きませんでした。きつねは座り込みました。何度もジャンプをしたので、くたびれてしまったのです。

 

「ああ、もうジャンプできない。ぼくにはもうそんな元気は残っていない」

 

疲れたきつねは頭の上にあるぶどうを見上げました。食べたくて仕方ないのですが、ぶどうはあまりにも高すぎました。そこできつねはこう考え直しました。

 

「ああ、ぼくはばかだった。あのぶどうは甘くなんかない。きっとすっぱいんだ。見てごらんよ。むらさき色が濃すぎるじゃないか。それに大きすぎる。ああ、ぼくはばかだったなぁ。あんなすっぱいぶどうを食べたがってとび跳ねたりして」

 

きつねは怒ってぶどうの木から去っていきました。

 

得られないものを憎むことは簡単だ。

 

 

来週火曜日は『ウサギとカメ』なので、和訳はお休みします。私の場合、継続のコツは「7割の力」なんです。