英検1級・TOEIC900点でも英会話は苦手

英語講師です。英検1級TOEIC900点(ベスト955)。NHK語学で学習中。

 エンジョイ・シンプル・イングリッシュ日本語訳『ルール』

 

エンジョイ・シンプル・イングリッシュ

オリジナル・ショート・ストーリー

『ルール』 

 

 

 

 

颯太「美咲、あの人たちを見て!まだ試合が始まってないのに、あんなにたくさんの人がいる」

美咲「颯太、野球場に来たのは初めてなの?」

「うん、実は、テレビで野球を見たこともないんだ。うちの親はニュースしか見せてくれないから」

「本当?」

「うん、本当だよ」

「そうなんだ、わかった」

「どうしたの、美咲?」

「野球のルールは知ってるの?」

「もちろん、ルールは知ってるよ。小学校で、1,2回やったからね」

「よかった、ちょっと心配になっちゃって」

「ピッチャーがボールを投げる。バッターが打つ」

「そうよ、それから?」

「バッターが走る」

「それから?」

「それだけ。それを何回もやるんだ」

「何回?」

「えーっと、チームのみんなが一周するまで。そして、相手チームの番だ」

「ふざけてるの?ルール、全然わかってないじゃない?」

「うーん、スポーツはあまり好きじゃないんだ」

「どうしてもっと早く言ってくれないの?野球が好きじゃないなんて知らなかったわ」

「誘ってくれたのがうれしくて…。美咲が野球が好きなの知ってるから。美咲がハッピーだとぼくもハッピーなんだ」

「ああ、今ハッピーじゃないわ。私と見に来るなら、ルールはわかってないとね」

「ごめん、美咲。ルールを教えてよ」

「わかったわ。試合が始まるまであと15分あるから、ルールを全部教えてあげる。しっかり聞いてよ!」

「うん」

 

* * *

 

「さ、これでわかったでしょ?」

「うん。スリ―アウトになったらチェンジ。9回まであって、得点の多い方が勝ち、だよね?」

「完璧よ!さ、試合がはじまるわよ」

 

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* * *

 

「美咲、戻ったよー。うどん買ってきた」

「ありがとう、颯太。ちょうどいいところに帰って来たわよ。次のバッターがホームランを打てば勝ちだわ。颯太、ワクワクしない?」

「よし、食べよう」

「今はダメよ」

「でも、冷めちゃうよ」

「わかった。美味しいわね。ちょっとー、今のストライクじゃなかったわよ!」

「美咲、今は試合を見ちゃダメだよ。ぼくを見なきゃ」

「は?なんで?」

「ぼくたちのルール忘れちゃったの?食事中は、お互いを見るって約束しただろう?」

「颯太、何言ってるの?」

「この前、美咲、ぼくに怒っただろう?夕食の時、ぼくが食べながらスマホをいじってたら、美咲言ったじゃん、お互いを見て、他のことはしないって」

「ああ、あのルールかぁ…でも、今野球場だし」

「ルールを破ったら別れるって言ったよね?」

 

 (カキーン)

 

「あ、なに?」

「美咲、ルールを忘れるなよ!」

「颯太ー!!!」

 

 

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野球はいいですよねー。ルールも知らないなんて残念すぎる(かるくイラッとする⁉)